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Lee-Byung-hun addicted

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第3話

「慶州にはひとりで行ってきて」 第3話



その頃、ビョンホンは『遠足に行く日』のロケ現場に到着していた。

「遅くなりましたぁ~」

ビョンホンが低姿勢で挨拶すると、

ちょうど休憩中だったスタッフが寄ってきた。

もちろん、ジェヨンの姿も。

「お~~~っ、間に合ったかい。

ハギュンからもメールもらってたから心配はしてなかったけど。

夕べはうまくいった?あれ、揺ちゃんは?」

とジェヨン。

「遅くなって悪かった。

揺は急用が出来て金浦から日本に帰ったんだ。」

「お前、夕べなんかやっちゃったの?」

ちょっと怪しい目つきでジェヨンはビョンホンに尋ねた。

「いや、いたって幸せな最高の夜だったよ。

彼女が今日帰ったのはご両親が急病でね。

ジェヨンにくれぐれもよろしくって。

観たかったって残念がってたよ。」

そういうとビョンホンは本当に幸せそうに微笑んだ。

「なんだ、つまんないなぁ~」

ジェヨンはそういって笑った。

「かみさんと子供たちも彼女に会えるの楽しみにしてたのに。」

ジェヨンが視線を向けた方向には、

彼の奥さんと二人の子供が楽しそうに遊んでいた。

ビョンホンが手を振ると三人は走ってきた。

「アニョハセヨ~。あれ、揺さんは?」

「急用でこれなくなったんだって。」とジェヨン。

「何だ、楽しみにしてたのに・・・」

「ごめんなさい。今度必ず紹介しますから。」

ビョンホンは笑って言った。

「ねえ、ビョンホンssi一緒に遊ぼうよぉ~」

子供たちに手を引かれてビョンホンは原っぱに連れて行かれてしまった。

「何だか子供が三人で遊んでるみたいね。」とジェヨン夫人。

「そうなんだよな。あいつ遊んでくれてるっていうより一緒に遊んでる感じだよな。いつも。」とジェヨン。

遊ぶ三人を眺め、二人は笑いながらそんな話をしていた。


休憩の後、長丁場の撮影に飽きた子供を連れ、

ジェヨンの奥さんは慶州観光に向かった。

そして撮影が再開された。

ビョンホンも現場のスタッフとモニターを見つめる。

『遠足に行く日』は盗掘犯であるジェヨンと盗掘の現場を目撃した村の子供が心を通わせるハートフルコメディーだ。

今日は子供とジェヨンが心を通わせ始める重要なシーンの撮影。

相手役の子供にも緊張感が走る・・・はずだったが、

午前中ジェヨンの子供たちとすっかり仲良くなったおかげで場が和んで自然な表情で撮影がすすんでいた。

「CUT!はいっ、OKで~す。」

シーンはどんどん順調に撮影され、

日没までに今年の撮影予定分はすべて撮り終わった。

「お疲れ様でした~。今年の撮影これで終了で~す。

また年明けよろしくお願いしま~す。」

皆の拍手と共に解散となった。夜は忘年会だ。

今日は皆で心置きなくつぶれるまで大宴会だ。。。




宴会の席上。

ビョンホンはジェヨンに酒を注ぎながら聞いていた。

「前から聞きたかったんだけど、親父になるってどんな感じだ。」

ジェヨンは笑いながらビョンホンに酒を注ぎ答えた。

「おおぉ・・・お前も興味が湧いてきたかっ!

よしよし。教えてやろう。

お前、俺と同い年だよな。

親父ねぇ~。

こればっかりは実際自分そっくりの子供を見てみろというしか説明のしようがないな。

自分の子供を見る感覚ってわからないだろ?へっへっへ。」

「それじゃ、説明になってないよ。」

ビョンホンはふてくされながら言った。

「つまりな。言葉で表せるような気持ちじゃないってことだよ。

こう、不思議な感覚なんだから。

自分で産んだわけでもないのに、

明らかに自分の分身みたいなのが目の前にいるんだぜ。

そんなもん、実際に感じてみないと。

何だかたまらなく愛おしいって言おうか・・。

まあ、早く父親になることをお勧めするよ。

きっと自分の中で何かが変わると思うぜ。」

そういうとジェヨンはグラスの酒をグイッを空けた。

「まあ、面倒なことも増えるし、責任も重くなるけど。

だって、親にならなきゃ、人のお尻のウンチなんて拭かないだろ?普通。」


「えっ、そんなことするの?」

「当たり前だよ~。今時はオムツ替えたり、

風呂に入れたり。

仕事入ってないと何でも「やって~~。お願い。」

って頼まれちゃうんだぜ。まあ、結構楽しいけどね。それはそれで。」

ジェヨンはそういうと何だか幸せそうに笑った。

「早く結婚できればいいのになぁ~。お前も因果な商売だ。」

「・・・って商売一緒じゃん!」とビョンホン。

「まあ、そんだけ犠牲払ったんだから、

あっちでもいい仕事してこいよ。

ここは俺らで守っとくから。

あっ、でも帰ってきて居場所なくても泣くなよ。」

ジェヨンは意地悪そうにそう言ってニ~ッと笑った。

「わかったよ。せいぜいがんばれよ。」

ビョンホンは笑ってそういいながら、

ジェヨンのグラスに酒をなみなみ注いだ。

「韓国映画界の発展とお前の世界での活躍とお前のまだ見ぬ子に乾杯だっ!」

ジェヨンがそういうと二人は楽しそうにグラスを傾けた。

「親父かぁ~~~早くなってみてぇよぉ~~」

ビョンホンは大声で叫んだ。


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